相手の「できないこと」によりそうことのむずかしさ
ヨシタケシンスケさんの『思わず考えちゃう』を読んだ。
そのなかの一節
相手の「できないこと」によりそうことのむずかしさ。
と、書いてあった。
もう十数年前の事だけど、当事は親しくしていたママ友がいた。
どうしても彼女の事が “許せない” “理解できない”その頃はそう思っていた。
心が狭い自分がキライで、とっても苦しかった。
当事の彼女との会話を振り返る。
彼女の悩みに、私は私なりのアドバイスをしていた。
彼女は「うんうん、そうだね~」と黙って聞いていた。
彼女は感情的で、いつもガミガミと子供を叱り、実家へ行っては、お母さんやお姉さんの家事のやり方を批判し、喧嘩になり、そんな自分がキライだー!どうしたらいいの??と、夜中だろうが、私の外出先だろうがお構いなしに電話をかけてきた。
ある時、私の母が癌になり、病院で抗癌治療の説明をしている最中に、泣きながら電話がかかって来た。今の状況を伝えても、「今聞いて欲しい」「今でないとダメ、少しで良いから聞いて」と言って止まらない。
「ちょっと、冷静になろうよ」と言ったら「それが出来ないから苦しいのー!」と、電話の向こうで泣き叫び、どうにもならなくなってしまった。
そういえば、彼女の口癖は「それが出来ないから苦しいの」だったなぁ~
私はいつも「それを言われると困ったなぁ~」って、思ってた。
今なら分かる。
彼女ができなかったことは『冷静になること』だったんだと
そして、私ができなかったことは『そんな彼女に寄り添うこと』だったんだと
思い通りにならない他人と、思い通りにならない自分。
許すとか、理解するとか それができない自分や他人に寄り添う。
“寄り添う”だと、ぴったりきた。